日本を中心とするコマユバチ科寄生蜂の分類学的研究

 

 日本には2016年現在、847種のコマユバチ科寄生蜂が記録されています(Yu et al., 2016)。しかしながら、日本未記録種や未記載種は依然として数多く存在しています。ウェブサイト管理者のうち、藤江は特にハラボソコマユバチ亜科Euphorinae、ハラダカコマユバチ亜科Cenocoeliinae、コウラコマユバチ亜科Cheloninae等に注目し、日本を中心とする地域の分類学的な再検討、および地域ごとのファウナ解明に取り組んでいます。

 

 

 

 

博士前期課程での研究テーマ

 

ギンケハラボソコマユバチの二親-単親生殖型間の遺伝的ダイナミズムの解明

 

 寄生蜂の中には、♂♀で殖える通常の産雄性単為生殖のほかに、♀だけで殖える産雌性単為生殖を行うものが存在します。後者は配偶コストがなく、高い増殖率を誇るという点で、人間の手によって寄生蜂を応用する上で優れた性質です。

 

ギンケハラボソコマユバチMeteorus pulchricornisは、この2つの生殖型を持った寄生蜂です。修士論文では、同一種内に2つの生殖型が存在する理由および単親生殖型の起源を探るべく、遺伝子解析を用いた2生殖型間の遺伝子流動の有無を検証しました。