日本産の亜科への検索表

日本に産する全ての亜科を網羅した暫定検索表を公開します。図版を加えて、徐々に完成させてゆく予定です。

(実は、亜科の検索表の作成が一番難しいのです)

 

 

日本から記録のある(もしくは確認されている)亜科への検索表

-試作暫定版-

(Wahl, 1993: Hymenoptera of the Worldを参考に作成)

 

 利便性を考え、加筆および配列替えを行っています。一部、特に後半部は判りにくい個所があるかもしれません。特に識別が難しいのはトガリヒメバチ亜科とハバチヤドリヒメバチ亜科の♂とマルヒメバチ亜科で、これらと紛らわしいものは慣れるまでは無理に同定しないことをお勧めします。

 

.翅が無い。もしくは著しく短いか、不完全。

・・・9割以上の場合、トガリヒメバチ亜科(無翅の場合は、大抵Gelis属)、

稀な例でマルズヒメバチヒメバチOrthocentrinaeの各亜科で報告がある。

‐.翅は通常どおり発達する。

・・・2へ

2(1).前翅翅脈2m-cu脈を欠く(その他の翅脈もしばしば減少する)。

・・・3へ

‐.前翅翅脈2m-cu脈を有する。

・・・5へ

3(2).翅脈は写真によく似る。後体節第1背板の長さは幅の2.5倍以上。後脚は長い。口器は小さく、時に退化傾向を示す。体は中型~小型で、ほとんどの種は小型。

・・・アリヤドリバチ亜科(本州以南では少ない)

‐.上記の組み合わせに該当しない。

・・・4

4(3).中胸側線Sternaulusは完全か、ほとんど完全で、中脚基節の基部付近まで伸長する。後体節第1背板の形質状態は様々。体は中型~小型。

・・・トガリヒメバチ亜科(一部の種:しばしば得られる)

‐.中胸側線Sternaulusは不完全で、中胸側板の基部方に限定される。後体節第1背板の長さは幅とほぼ同長で、縦皺に覆われる。体は小型。ごく最近北海道産の1個体を基に日本から記録された。

・・・Neorhacodinae(極めて稀)

5(2).小盾板はするどく後方へ突出する。大顎の先端は2歯を持つ。後体節第2~4腹板は切片化し、膜状にならない。フ節爪は長く、フ節第5節の長さの半分程度。体色は殆どの場合黒色。翅に一部、曇る部分がある。

・・・ミズバチ亜科(水辺、特に川沿いでしばしば見られる)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・6へ

6(5). 産卵管は弱く下方に曲がり、基部から先端へと徐々に細くなり、下弁側方から見た腹縁はまばらで弱い鋸歯状の歯を持つ。頭盾前縁は小さな中央突起を持つ。前伸腹節は横隆起線を欠く。未記録であるが得られており、国内産種の体長は10 mm程度。

・・・Collyriinae (極めて稀:ホソヒメバチ亜科Cyllocerinaeとは違うので注意)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・7へ

7(6).雄の触角は中央付近で拡大する。前胸背板背面は一対の丸い隆起を持つ(頭部の位置によっては後頭部に隠れて確認しにくいことがある)。前翅の鏡胞を欠く。産卵鞘は殆ど後体節に隠され、露出しない。体は丸みを帯び、通常黒色で、一部の種で腹部が赤褐色を帯びたり、黄色紋、帯や白色紋、帯を有する。体長は20 mm以下で、大抵10 mm内外。

・・・フトマルヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・8へ

8(7).触角鞭節は12節か13節。上唇が頭盾の下に明瞭に露出する。後体節第1背板は柄を持つか、半ば柄を持ち、気門は中央より後方。産卵管の先端方は背面の切れ込みを欠く。体は小さく5 mm内外。体色は黒色で、部分的に黄褐色を帯びることがある。後体節背板は疎らに微毛を有するが、光沢が強く、広くなめらか。

・・・ツブヒメバチ亜科(稀)

‐.触角鞭節は13節以上。上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・9へ

9(8).前翅鏡胞は大きく、大抵ひし形。頭盾と顔面の境界は不明瞭。産卵管は適度に長く、針状。雌の亜生殖板は側方からみて大きく、三角形だが、腹端は超えない。雄の把握器は後方へ著しく伸長する。後体節第1背板の気門は中央付近に存在し、柄側刻は深く大きい。体長は20 mm以下で、10 mm以下が多い。しばしば灯火に飛来する。後体節背板は光沢を持つ種が多い。触角は比較的スレンダーで、長い。

・・・フタオヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・10へ

10(9).後体節第1背板の気門は側方から見て、節の中央より後方で、基部方(前方)は背面からみてスレンダーで、時折筒状、しばしば先端方(後方)にかけて幅が広くなる(即ち、後体節第1背板の幅は基部方で著しくせまくなり、柄を形成する)。後体節第1腹板は大抵気門の位置かより後方の位置まで伸長する。

・・・11へ

‐.後体節第1背板の気門は側方から見て、節の中央付近かより前方で、幅は背面からみて、一様に広 くなるか、均一な幅(即ち、後体節第1背板の幅は基部方にかけて緩やかにせまくなるか、幅は一定で、明瞭な柄を形成しない)。後体節第1腹板は短く、気門の位置まで伸長せず、めったに第1背板の長さと同じ長さにならない。

・・・29へ

11(10).アメバチ型体型。後体節は側方より圧され、背面から見て幅が狭く、平べったい。その為、第3背板と第4背板は幅より高さが長い。フ節爪は大抵くし歯状。前翅はしばしば鏡胞を持ち、その場合は大抵、前方が柄を持つ。産卵管はやや先端方に、ほぼ常に背面の切れ込みを有する。しなやかな産卵管が多い。

・・・12へ

‐.ヒメバチ・トガリヒメバチ型体型。後体節は背方と腹方より圧され、側方から見て平べったく、背面から見て幅広い。その為、第3背板と第4背板は高さよりも幅が長い。フ節爪は大抵単純(=くし歯など、付属歯を持たない)。前翅が鏡胞を有する場合、柄は決して持たない。産卵管は上記のような切れ込みを大抵欠く。しっかりとした頑丈な産卵管が多い。

・・・20へ

12(11).前翅は鏡胞を欠き、2m-cu脈は本来鏡胞のあるあたりの位置より明瞭に基部寄りで合流する。

・・・13へ

‐.前翅は鏡胞を有する。あるいは、欠く場合、2m-cu脈は本来鏡胞のあるあたりの位置で合流するか、より翅の先端方の位置で合流する。

・・・15へ

13(12).前翅翅室3Cuは翅脈3/1Aを翅の縁に沿って有する。単眼は大抵大きく、側単眼の縁は複眼に接近する。体色は殆どの種で黄褐色(いわゆる、アメ色)、一部種で黒色部を有したり、全身紫色。フ節爪は密なくし歯状。体長は1030 mm以上。触角は大抵長い。灯火によく飛来する。

・・・アメバチ亜科(よく得られる)

‐.上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・14へ

14(13).前伸腹節は網目状の隆起線に覆われる。頭盾前縁は剛毛によるかざりを欠く。小顎ひげは5節、下唇ひげは4節。中胸側板は中央の高さを走る横有孔溝を欠く。前翅縁紋は拡大しない。体色は大抵黒色。後体節は大抵、後方で厚みがそれほど増さず、華奢で、体長は10 mm内外が多い。

・・・コンボウアメバチ亜科Anomalon属:しばしば得られる)

‐.前伸腹節は網目状の隆起線に覆われず、通常の形態(多少とも縦横の隆起線を持つ)。頭盾前縁は剛毛によるかざりを有する。小顎ひげは4節、下唇ひげは3節。中胸側板は中央の高さを走る横有孔溝を有する。前翅縁紋は拡大する。体色は大抵黒色で、後体節は時折赤褐色みを帯びる。後体節は大抵、後方で厚みが増し、体長は5ミリ内外が多い。

・・・Tersilochinae(一部:しばしば得られる)

15(12).前伸腹節は網目状の隆起線に覆われる。側単眼と後頭隆起線は比較的接近する。後体節は側方から圧され、背面から見て殆ど平ら。頭部と中体節は黒色で、しばしば黄色紋や赤褐色部を有する。 後体節は大抵、一部を除き、赤褐色。産卵管は短く、せいぜい後体節先端方の高さ程度。触角は比較的長い。体長は5 mmから大型種では30 mmを超える。

・・・コンボウアメバチ亜科Gravenhorstiini族:よく得られる)

‐.前伸腹節は網目状の隆起線には覆われず、大抵縦横の隆起線で区画される。側単眼と後頭隆起線は比較的離れる。後体節は側方から圧されるが、多少とも幅を持つ。その他上記特徴の組み合わせが当てはまらない。

・・・16へ

16(15).前胸側板は腹方後角に強い突出部を持ち、多少とも角ばった葉片は前胸背板に触れるか、オーバーラップする。中胸腹板のpostpectal carinaは大抵完全、或いは稀に中脚基節挿入孔前方で不完全(その場合、顔面と頭盾は溝で分割されない)。後体節背板は大抵鈍い光沢を持ち、光沢の範囲は無い~強い。後体節背板の点刻は様々。産卵管は多少とも長く、短い際も後体節先端の厚み程度の長さはある。

・・・17へ

‐.前胸側板は腹方後角に突出部を持たず、角ばらない。中胸腹板はpostpectal carinaを持たないか、中脚基節挿入孔前方で不完全。頭盾は顔面から分割される(両者の境界が明瞭)。後体節背板は大抵強い光沢を持ち、点刻は大抵弱い。

・・・18へ

17(16).中脚および後脚の脛節棘の付け根とそれぞれの基フ節の付け根の間は、切片で分割される。その為、脛節棘の膜質の挿入孔は各棘に独立に存在する。頭盾は顔面と溝で分割される。顔面は大抵多少とも薄色。前翅縁紋はより幅広く、短く幅広い三角形。しばしば後脚腿節腹面に棘を持つ。産卵管は大抵長く、しばしば先端方は湾曲する。

・・・キバラアメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.中脚および後脚の脛節棘の付け根とそれぞれの基フ節の付け根の間は、膜でつながる。その為、脛節棘の膜質の挿入孔は各棘に独立しない。頭盾は顔面と溝で分割されない。顔面は大抵一様に黒色。前翅縁紋は幅がそれほど拡大せず、狭く細長い三角形。後脚腿節腹面に棘を欠く。産卵管は長い~短い。

・・・チビアメバチ亜科(良く得られる)

18(16).頭盾前縁は長い剛毛によるかざりを持つ。前翅鏡胞は欠く。後翅翅脈M+Cuの基部方3/5は不明瞭か、欠き、翅脈2/Cuは欠く。小顎ひげは4節、下唇ひげは3節。産卵管は大抵多少とも長く、先端背面に切れ込みを有する。体色は大抵黒色で、後体節は時折赤褐色みを帯びる。体長は5 mm内外が多い。

・・・Tersilochinae(しばしば得られる)

‐.頭盾前縁は長い剛毛によるかざりを持つか、欠く。前翅鏡胞は大抵存在する。後翅翅脈M+Cuは完全、翅脈2/Cuは少なくとも光の角度によっては見える。小顎ひげは5節、下唇ひげは4節。産卵管は短く、先端背面の切れ込みを欠く。体色は大抵黒色で、後体節は時折赤褐色みを帯びる。

・・・19へ

19(18).前翅2m-cu脈は2つの透明域を持つ。中胸側線Sternaulusは半分以上存在し、大抵中脚基節の基部付近まで伸長する。前脚脛節の先端背面に小突起を欠く。後体節先端方は極端に伸長しない。

・・・トガリヒメバチ亜科Atractodes属など:しばしば得られる)

‐.前翅2m-cu脈は1つの透明域を持つ。中胸側線Sternaulusは欠く。前脚脛節の先端背面に小突起を有する。後体節先端方は極端に伸長する。

・・・マルヒメバチ亜科 (Seleucus:少ない)

20(11). 後脚脛節棘は1本。

・・・21へ

‐.後脚脛節棘は2本。

・・・22へ

21(20).頭盾前縁は大きな中央突起を持つ。前翅r-rs脈は縁紋の基部寄りで生じる。体長は1020 mm程度。後体節は基部方の節を除いて丸く幅は広い。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科Sphinctus:少ない)

‐.頭盾前縁は突起を欠く。前翅r-rs脈は縁紋の中央付近より生じる。体長は10ミリ以下。後体節は長楕円形で、割合均一な幅。

・・・メンガタヒメバチ亜科Periope:しばしば得られる)

22(20).頭盾は顔面と明瞭な溝で分割されない。前翅は鏡胞を持ち、柄を持つ。

・・・チビアメバチ亜科(一部:よく得られる)

‐.頭盾は顔面と明瞭な溝で分割される。或いは前翅鏡胞を欠くか、ある場合、大抵柄を欠く。

・・・23へ

23(22).複眼内縁は腹方で強く接近する。頭盾は小さく、強く隆起する。マーラースペースは長く、眼下溝subocular grooveを持つ。大顎は小さく、薄く、刃状。小さく(大抵5 mm以下)もろい種が多い。

・・・Orthocentrinae(一部:よく得られる)

‐.複眼内縁は大抵、腹方で強く接近しない(両縁は平行に近い)。上記組み合わせは当てはまらない。

・・・24へ

24(23).頭盾は大きく、前縁は平行に生える長い剛毛によるかざりをもつ。そして/あるいは、産卵管は膜状ないし半透明。中胸盾板は長く鋭いはっきりとしたnotaulusを持ち、大抵中胸盾板の中央を超える。体は大抵スレンダーで、触角に白帯を持つこともある。体色はしばしばアメ色で、その場合は灯火によく飛来する。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.頭盾は上記のような剛毛の飾りを欠き、そして産卵管は膜質部を欠く。中胸盾板のnotaulusは様々で、大抵中胸盾板の中央を超えない。

・・・25へ

25(24).雌の亜生殖版は側方から見て大きい。産卵管は長く、背面先端方に切れ込みを持ち、腹方の歯は大抵存在せず、仮にあっても先端方にわずかに存在するのみ(よほど拡大しないと見えない)。前伸腹節背面は隆起線を欠くか、後方横隆起線のみを有する。前脚脛節は特別に拡大しない。後体節背板は背面から見て細長く、第1背板の幅は先端方に向かい顕著に拡大しない。

・・・ウスマルヒメバチ亜科Leptobatopsis属:やや少ない)

‐.上記の組み合わせが当てはまらない。産卵管はとても短く、殆ど目立たないか、長い場合は大抵腹面に歯をもち、背面先端方の切れ込みは欠く。前伸腹節背面は少なくとも前方横隆起線と後方横隆起線を有する。前脚脛節は特別に拡大することがある。後体節背板は背面から見て細長い~幅が広がり、第1背板の幅は先端方に向かい顕著に拡大することが多い。

・・・26へ

26(25).後体節第1背板の気門は節の中央付近。産卵鞘は幅広く、短い。産卵管は背面に切れ込みを持つ(鞘を外さないと見えにくい)。後体節は切片化が強く、比較的強い光沢を有する。体色は黒色で、後体節が赤褐色を帯びたり、部分的に白色部を有する。体長10 mm内外。

・・・トゲホソヒメバチ亜科(山地を中心にしばしば得られる)

‐.後体節第1背板の気門は節の中央付近か、大抵先端よりに存在。産卵鞘は幅が狭く、産卵管とたいして変わらない。産卵管は短い~長く、大抵背面に切れ込みはない。後体節腹板は大半が膜状、背板の光沢は様々。

・・・27へ

27(26).頭盾は大抵幅が広く、側方から見て平ら。頭盾前縁は広く裁断状か、殆ど裁断状で、凹まないか弱く凹む程度。中胸側線は殆ど常に短く、中胸側板の半分よりも短い、或いは中胸側線を欠く。産卵管は硬く頑丈で、長くても腹端を弱く超える程度。前翅はほぼ常に鏡胞を持つ。後体節第2背板基部の鏡紋は大きく、よく発達する。後翅翅脈M+Cuは殆ど直線。前伸腹節の小室は大抵完全。体は大抵頑丈。

・・・ヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.頭盾面積は様々で、側方から見て大抵適度~強く隆起する。頭盾前縁は凹むか隆起する。中胸側線はよく発達し、大抵は中胸側板の半分以上、しばしば中脚基節付近まで存在する。産卵管は硬く頑丈~弱くしなやかで、腹端を超えることが多く、大抵明らかに超える。前翅鏡胞は有るか無い。後体節第2背板基部の鏡紋は小さく、あまり発達しない。後翅翅脈M+Cuは時折強く曲がる。前伸腹節の小室はしばしば不完全。体は頑丈~スレンダー。

・・・28へ

28(27).中胸側板はepicnemial carinaを前縁から離れた位置に有し、その背端は前胸背板後縁の中央より下方の水準に位置する。そして、中胸側線は短く、中胸側板の1/51/2。後翅翅脈2/Cuは不明瞭で、1/Rs脈は時折、1r-m脈より短い。中体節は丸みをおび、前縁は中胸盾板前方が急に落ち込み、頭部と中体節の間は接近する。後体節は半ば筒状。触角は中央から先端にかけて弱く膨らむ。体長10 mm以下で、日本産種は黄色紋を多数有する。

・・・ニジヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.中胸側板はepicnemial carinaを前縁に接近した位置に有し、その背端は前胸背板後縁の中央より上方の水準に位置する。あるいは、中胸側線は中胸側板の1/2以上存在し、大抵中脚基節に接近する。 後翅翅脈2/Cuは染色され、明瞭で、めったに不明瞭になったり、欠いたりしない。後翅翅脈1/Rs脈は1r-m脈より長いか、同長。中体節は大抵細長く、一部グループのみ丸みをおびる。丸みを帯びる場合を除き、頭部と中体節の間は多少とも隙間がある。後体節は様々。触角は均一の太さか、部分的に様々に膨らむ。体長は様々。

・・・トガリヒメバチ亜科(良く得られる)

29(10).中脚脛節棘は1本。

・・・30へ

‐.中脚脛節棘は2本。

・・・31へ

30(29).顔面は大きく、平らで凹んだ盾状のエリアをもち、そのエリアは隆起線で囲まれる。顔面の触角挿入孔間は突出する。体長は1030 mm程度。後体節背板の表面は点刻が多い。夜間灯火によく来る。

・・・メンガタヒメバチ亜科Metopius:よく得られる)

‐.顔面は盾状隆起線を欠く。体長は515 mm程度。後体節背板の表面は点刻が少なく、つやを持つ種が多い(例外あり)。一部の種を除き灯火にはそれほど来ない。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科Exenterini族:よく得られる) 

31(29).頭盾は顔面と溝で分割されず、側方から見て殆ど連続した強い~弱い隆起したでっぱりになる(鼻が突き出る)。体表がなめらかな種が多い。

・・・32へ

‐.頭盾と顔面は多少とも明瞭な溝で分割される(隆起線は中央で不明瞭な事があるが、側方で存在する)。もしくは、溝を欠く場合は稀だが、その際は側方から見て幾分平たい。

・・・35へ

32(31).複眼表面は明瞭な剛毛に覆われる。前翅鏡胞を欠く。フ節第5節は拡大する。♀のフ節爪は大きな基部葉片を有する。

・・・ヒラタヒメバチ亜科Schizopyga:しばしば得られる)

‐.複眼表面は剛毛を欠く(非常にまばらな不明瞭な剛毛を伴うことがある)。前翅鏡胞は有るか、ない。フ節第5節は様々。♀のフ節爪は単純か、くし歯状。

・・・33へ

33(32).触角柄節は背面から見て長さは幅の1.82.4倍。顔面の背縁は単純で、触角挿入孔間に三角形の突起として突き出ない。大顎はとてもスレンダーで、先端方はねじれる。マーラースペースは長く、明瞭な眼下溝Subocular grooveを有する。体は小さく(殆どが5 mm以下)、軟弱な種が大半。

・・・Orthocentrinae(良く得られる)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・34へ

34(33).顔面は三角形の突起として突出した背縁をもち、突起は触角挿入孔間か挿入孔の腹縁に伸長する。フ節爪は単純かくし歯状。産卵管は比較的均一な直径で、背面先端方の切れ込みを欠く(しかし、しばしば弱い切れ込みを持つことがある)。体表の光沢は大抵強い(一部のグループでは弱い)。脚は太短く、頑丈。体色は様々で、しばしば輪郭がくっきりとした黄色、白色、赤褐色などの紋や帯を持つことがある。体長520 mm程度。

・・・メンガタヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.顔面の背縁は単純で、触角挿入孔間に三角形の突起として突き出ない。フ節爪は先端方がくし歯状。産卵管は針状で、叩かれ、背面の切れ込みを欠く。体表の光沢は適度な強さ。脚は比較的すらりとしている。体色は黒色の地色に黄褐色や赤褐色部を伴うが、一部を除き輪郭は不明瞭。体長510 mm程度。日本から公式記録は無いが、複数種得られている。

・・・マルヒメバチ亜科Rhorus属:やや少ない)

35(31).大顎の先端は3歯を持つ(上の2歯が融合ないし半ば融合した状態の時があるが、その際は下の歯と上の融合した歯の境界が下方1/3付近にあり、融合の痕跡がよくわかる)。

・・・36へ

‐.大顎の先端は2歯か、1歯。上下の歯の境界は中央付近。

・・・37へ

36(35).後体節第1背板は幅の広い長方形で基部の幅が狭くなる箇所での狭くなる度合いは急激。後翅翅脈Nervelusは中央付近で分岐ないし折れる(cu-a1/Cuの長さは比較的同じ)。体長は比較的小さく、大抵10 mm以下。小盾板先端に棘は持たない。

・・・ヒラタアブヤドリヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.後体節第1背板は幅の比較的狭い長方形で、基部の幅が狭くなる箇所での狭くなる度合いは緩やか。後翅翅脈Nervelusは中央より明らかに上方で分岐する(cu-a1/Cuの5倍近い)。体長は比較的大きく、大抵15 mm内外。小盾板にしばしば棘を持つ(Banchus属のみ)。

・・・ウスマルヒメバチ亜科BanchusおよびRhynchobanchus属:やや少ない)

37(36).後脚基節と後体節挿入孔の間は側方および後方から見て明瞭に離れる。後体節は外見上4つの背板のみ観察でき、第4背板の先端には2対の突起を有する。後体節第2背板には明瞭なハの字型の溝を持つ。産卵管は短く、目立たない。体長7 mm内外。

・・・ウスマルヒメバチ亜科Townesion属:極めて稀)

‐.後脚基節と後体節挿入孔の間は接近し、側方から見て間が明瞭に離れない(側方から見て、基節と後体節第1節は多少とも重なる)。上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・38へ

38(37).♀の亜生殖版は側方から見て非常に大きく、三角形に後方へ突き出る。突出は強く、腹端を超える。産卵管は長く、背面先端方の切れ込みを欠く。♂の前中脚のフ節爪は小さなやや先端方の歯(裂け目状)を一対有する(しばしば観察しにくいが角度を変えることによって観察できる)。♂の後体節先端方は大抵、切片化が弱く、多少とも平圧される。大抵の場合、枯れ木や貯木場の周辺で見られる事が多い(琉球ではススキ原の脇で得られたりする)。体は一部の種を除き、比較的大きく、1030 mm程度の種が大半。

・・・ケンオナガヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.♀の亜生殖版はより小さく、短い。その為、腹端を超えることは無い。産卵管は様々。♂の前中脚のフ節爪は単純か、くし歯状で、中胸側板のepicnemial carinaを欠く種を除き、やや先端方の付属歯を欠く。

・・・39へ

39(38).後体節第25背板は背面から見て三角形の溝で囲まれたエリアをもつ(隆起線は基部中央から後方側方へむけて走るハの字型の溝と、後縁に平行に走る横溝)。前胸背板のepomiaは強く、背端が突起として突き出る。前伸腹節の前側角は前方に突出し、後胸と小さなフックでかみ合う。体は頑丈で、後体節背板の彫刻は粗い。産卵管背面先端方に切れ込みを欠く。体長10 mm以下。

・・・カタトゲヒメバチ亜科(やや少ない)

‐.後体節背板はそのような溝を持たない。或いは、もし似たような溝がある場合、前胸背板のepomiaは発達しても背端が突起状にならない。前伸腹節に上記のような構造は無い。産卵管は様々で、後体節背板に溝がある場合は背面先端方に切れ込みがある。

・・・40へ

40(39).後体節第24背板はハの字型の溝を持つ(円形隆起ではないので注意)。産卵管は比較的長い~長い。体は細身。

・・・ウスマルヒメバチ亜科Glyptini族:よく得られる)

‐.上記背板の構造を欠く。

・・・41へ

41(40).中胸盾板は横皺におおわれる。体長は比較的大きく、♀で1045 mm程度。

・・・42へ

‐.中胸盾板はなめらかか、点刻に覆われる。

・・・43へ

42(41).後頭隆起線は中央背方付近で消失する。前翅翅脈cu-a脈の起点はRs+M脈とCu脈の合流点よりも翅の先端方に位置する。腹部先端に切り詰められた角を持つ。腹部はつやが大抵あるが、しばしばなくなる。 

・・・オナガバチ亜科(良く得られる)

‐ .後頭隆起線は中央背方付近でも完全。前翅翅脈cu-a脈の起点はRs+M脈とCu脈の合流点とほぼ同じ位置。腹部先端に切り詰められた角は持たない。腹部はつやを持たない。

・・・クチキヒメバチ亜科Pseudorhyssa属:やや少ない)

43(41).上唇は露出する。 頭盾は小さい。後翅は翅脈2/cuを欠き、基部方のハムリは1本。中胸盾板のnotauliはよく発達する。前伸腹節の隆起線は少なくとも国内産種ではよく発達する。後体節第1背板は第1腹板と縫合線で分割され、背面から見て幅はほぼ均一、細長い長方形。トガリヒメバチの小型種に一見似る。体長は5 mm内外。後体節背板は赤褐色みを帯びることがある。触角の節数は比較的少ない。

・・・タマバチヤドリヒメバチ亜科(やや少ない)

‐.上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・44へ

44(43).頬上部がやすり状の歯で覆われる。頭部は丸い。大顎は大抵融合し、彫刻刀状、外見上1歯に見えることもある。頭盾は比較的小さい。産卵管は比較的長い種が多い。枯れ木や貯木場で見られる事が多い。体長は1030 mm程度が多い。

・・・クチキヒメバチ亜科Poemenini族:よく見られる)

‐.頬上部にやすり状の歯を欠く。上記組み合わせに当てはまらない。

・・・45へ

45(44).後体節第3節(しばしば2節も)の側背板は背板と皺で分割されない。前脛節は背面先端に突起を有することがある。前翅翅脈2m-cuは1つの透明域を持つ。産卵管は叩かれ、スレンダー、背面先端方の切れ込みを欠き、長さは様々で、弱く上方に曲がる。体長は小型で、5 mm未満。日本から記録は無いが、得られている。

・・・Phrudinae(やや少ない)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・46へ

46(45).産卵管は先端よりやや後方あたりより急激に先端方へ細くなり、鋸歯や先端の切れ込みを欠く。産卵管長は長くても後体節の半分程度。脚は長く、フ節第5節は拡大する。体はスレンダーで、大抵は体表の光沢が強い。後体節はしばしば円形隆起を有する。

・・・ヒラタヒメバチ亜科(クモヒメバチ属群:よく得られる)

‐.上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・47へ

47(46).♀(産卵管がある)

・・・48へ

‐.♂(把握器が腹端に露出する)

・・・64へ(同定は難しく、ある程度♀の同定標本を集めてから行った方が良い)

48(47).産卵管は背面先端方に切れ込みを有する。腹面先端の鋸歯状の歯は大抵存在せず、目立たない。

・・・49へ

‐.産卵管は背面先端方に切れ込みを有しないか、弱くある場合はその基部方が盛り上がる。産卵管腹面先端方は鋸歯状の歯を持つか、持たない。

・・・53へ

49(48).後体節第1背板の気門は節の中央付近、柄側刻は欠く。産卵鞘は幅広く、短い。産卵管は背面に切れ込みを持つ(鞘を外さないと見えにくい)。後体節は比較的強い光沢を有し、切片化が強く、第45節は完全に切片化する。体色は黒色で、後体節が赤褐色を帯びたり、部分的に白色部を有する。体長10 mm内外。

・・・トゲホソヒメバチ亜科(山地でしばしば得られる)

‐.上記組み合わせがあてはまらない。

・・・50へ

50(49).前脛節の背面先端方に突起を持つ。産卵管はそれほど長くなく、後体節の長さの1/3以下。

・・・マルヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.前脛節にそのような突起は無い。産卵管長は様々。

・・・51へ

51(50).亜生殖版は拡大し、中央に切れ込みを持つ。後胸のSubmetapleural carinaは前方へむけ幅が拡大する。前翅2m-cu脈は大抵1つの透明域を持つ。フ節の爪は大抵くし歯状。マーラースペースは眼下溝subocular grooveを欠く。産卵管の背面先端方の切れ込みは明瞭。前伸腹節の中央および側方縦隆起線は極めて不明瞭か、ない。体長425 mm程度。

・・・ウスマルヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.亜生殖版は拡大しない。そして/あるいは中央の切れ込みを欠く。後胸のSubmetapleural carinaは前方で拡大しない。前翅2m-cu脈は大抵2つの透明域を持つ。フ節の爪は単純。マーラースペースはときおり眼下溝subocular grooveを有する。産卵管の背面先端方の切れ込みはしばしば不明瞭。前伸腹節の中央および側方縦隆起線は大抵明瞭。

・・・52へ

52(51).頭盾は基部が隆起し、残りの部分は弱く凹み、裁断状の前縁を持つ。顔面は決して触角挿入孔より強く前方に突出することがない。後頭隆起線は完全。マーラースペースは大顎基部幅より短く、眼下溝Subocular grooveを欠く。体は頑丈で、後体節はよく切片化する。体長610 mm程度、体色は黒褐色(一部の種では脚が赤褐色)。

・・・ホソヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐. 頭盾は小さく、強く隆起し、前縁は大抵隆起する。もし頭盾が平らな場合、顔面は決して触角挿入孔より強く前方に突出し、後頭隆起線は背方中央で不完全。マーラー スペースは大顎基部幅と同長かより長く、大抵Subocular grooveを有する。体は華奢で、後体節の切片化は弱い。体長は大抵6 mm以下、体色は様々。

・・・Orthocentrinae(良く得られる)

53(52).頭盾は小さく、強く隆起し、前縁は大抵隆起する。マーラー スペースは大顎基部幅と同長かより長く、大抵Subocular grooveを有する。大顎は小さく、薄く、刃状。頭部は前方から見て腹方が強く叩かれ、複眼は突出する。体は華奢で、後体節の切片化は弱い。体長は大抵6 mm以下、体色は様々。

・・・Orthocentrinae(やや少ない)

‐. 上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・54へ

54(53).産卵管は長く、乾燥標本においてはしなやかに不規則に曲がり、背面先端方は極めて不明瞭な切れ込みで先端方と基部方が分断される。その為、先端方の一部が基部方とことなる部位に見える。フ節爪は単純。頭盾は基部が隆起し、残りの部分は弱く凹み、裁断状の前縁を持つ。顔面は決して触角挿入孔より強く前方に突出することがない。後頭隆起線は完全。体長610 mm程度、体色は黒褐色(一部の種では脚が赤褐色)。

・・・ホソヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.亜生殖版は側方から見て大きく、目立つ。産卵管は腹方先端方の歯を欠き、なめらか。

・・・55へ

55(54).産卵管は腹面に鋸歯を欠き、なめらか。

・・・56へ

‐.産卵管は腹面に明瞭な鋸歯を有する。

・・・58へ

56(55).マーラースペースは眼下溝Subocular grooveを持つ。頭盾と顔面は平らな領域を形成し、顔面は触角挿入孔下に隆起を持つ。頭盾前縁は中央に歯を持つ。産卵管は短く、後体節ならびに後脛節の半分以下。体長は6 mm以下。体は脚を除き黒色。

・・・Microleptinae(少ない)

‐.マーラースペースは眼下溝Subocular grooveを欠く。体はしばしば黒色以外の部位を伴う。上記組み合わせが当てはまらない。

・・・57へ

57(56).後体節第1背板の柄側刻はよく発達する。頭部は大抵丸い。頭盾は幅広く、頭盾前縁は平行に伸びる剛毛によるかざりを持ち、中央に切れ込みを欠く。産卵管は短く、大抵は後体節先端の厚み以下で、しばしば卵が付着している。体は丸みを持ち、しばしば光沢が強い。触角挿入孔背方が隆起し、突出したり、額に角を持つことがある。体長420 mm程度。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.後体節第1背板の柄側刻は通常の程度、発達する。頭部は大抵弱く逆三角形。頭盾はやや狭く、頭盾前縁は平行に伸びる剛毛によるかざりを欠き、しばしば中央に切れ込みを有する。産卵管は多少とも長く、後体節先端の厚み以上で、卵は決して付着しない。体はややスレンダーで、光沢が比較的弱い種が多い。触角挿入孔および額は単純。体長410 mm程度。

・・・チビマルヒメバチ亜科(しばしば得られる)

58(55).フ節爪は大抵くし歯状(稀に単純)。後体節第1背板の柄側刻はよく発達する。頭部は大抵丸い。頭盾は幅広く、頭盾前縁は平行に伸びる剛毛によるかざりを持ち、中央に切れ込みを欠く。産卵管は短く、大抵は後体節先端の厚み以下で、しばしば卵が付着している。体は丸みを持ち、しばしば光沢が強い。体長420 mm程度。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.フ節爪はくし歯状にならず、単純か基部方に幅の広い葉片を持つ。後体節第1背板の柄側刻はしばしば欠く。頭盾前縁は上記のような剛毛を欠き、大抵前縁が凹む。体はしばしばスレンダーで、粗い点刻をゆうし光沢が弱いことが多い。産卵管は大抵後体節先端の厚みを超える。産卵管に卵が付着している事はない。

・・・59へ

59(58).後体節第1節は細長く、背板と腹板は融合し、なめらかで光沢がある。第24背板は1対の縦溝を有し、ひし形の区画を有する。頭盾は小さい。産卵管は長い。体は赤褐色~黄褐色の箇所を有し、一見オナガバチ亜科に似る。翅は部分的に小さく曇る。体長は12 mm以上。

・・・クチキヒメバチ亜科Rodrigama属:南西諸島に産し、極めて稀)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・60へ

60(59).後体節第1背板は柄側刻を有する。そして/あるいは、前伸腹節は前方横隆起線を欠き、時折中央縦隆起線の跡を有する。頭盾前縁の先端半分は時折薄くなり、中央に切れ込みを持つ。フ節爪は基部に葉片や歯を持つ。

・・・61へ

‐.後体節第1背板は柄側刻を欠き、前伸腹節は少なくとも前方横隆起線を有する。頭盾は上記状態にならない。フ節爪は単純。

・・・62へ

61(60).後体節第1背板は細長く、長さは幅の34倍で、柄側刻を欠く。頭盾は弱く隆起するか、ほとんど平らで、前縁は弱く凹むか、半ば裁断状。後体節背板はしばしば後方に黄色帯を有し、表面に顕著な凹凸はない。

・・・ホソナガヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.後体節第1背板は様々な形質状態だが、概して幅が広く、幅は後方に向かい拡大し、柄側刻を有する。頭盾はしばしば横隆起によって2分割され、前縁はたいてい弱く~強く凹む。後体節背板は後方に黄色帯を有しないか、有する場合は一部の節の背面に顕著な凹凸がある。

・・・ヒラタヒメバチ亜科(よく得られる)

62(60).産卵管は短く、後体節末端を超えない。中胸側板は中胸側線Sternaulusを欠く。前翅は完全な鏡胞を有する。頭盾は幅が広く、平らで、前縁は裁断状。

・・・ヒメバチ亜科Alomya属:北日本で得られているが少ない)

‐.産卵管は長く、後体節末端を超える。中胸側板は中胸側線Sternaulusを有する。前翅は完全か、不完全な鏡胞を有する。頭盾はより幅が狭く、隆起する。

・・・63へ

63(62).中胸側板の中胸側線Sternaulusは不明瞭か、明瞭な際は中胸側板の半分よりも短い。前翅鏡胞は不完全。前伸腹節は中央縦隆起線を有する。大腮は1歯か、2歯の場合、額は触角挿入孔間に角を有するか、後脚腿節腹面に歯状突起を有するか、中体節は明瞭に平圧される。

・・・マルズヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.中胸側板の中胸側線Sternaulusは明瞭で、中胸側板の半分よりも長く存在する。前翅鏡胞は完全。前伸腹節の隆起線は様々。大腮は2歯で、後脚腿節腹面に歯状突起を欠く。

・・・トガリヒメバチ亜科(良く得られる)

64(47).前翅翅脈2m-cu1つの透明域bullaを有する。

・・・65へ

‐.前翅翅脈2m-cu2つの透明域bullaeを有する。

・・・71へ

65(64).後体節第1背板は基部に柄側溝を有する。

・・・66へ

‐.後体節第1背板は基部に柄側溝を欠く。

・・・68へ

66(65).頭盾は前縁に長く平行な剛毛を有する。後胸側板腹縁にあるsubmetapleural carinaは前方で突出しない。前伸腹節の隆起線は様々。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科(一部:しばしば得られる)

‐.頭盾は前縁に顕著な剛毛列を欠く。後胸側板腹縁にあるsubmetapleural carinaは前方で突出する。前伸腹節の隆起線は様々。

・・・67へ

67(66).前伸腹節は中央縦隆起線を欠く。頭部、中体節、後体節はしばしば紋や帯を有する。体長はしばしば13 mm以上になる。

・・・ウスマルヒメバチ亜科Atrophini族かBanchini族:良く得られる)

‐.前伸腹節は中央縦隆起線を有する。体は脚を除き黒色で、後体節背板が赤褐色~褐色部を有する程度。体長は13 mmを決して超えない。

・・・チビマルヒメバチ亜科Panteles属:極めて稀)

68(65).マーラースペースは眼下溝Subocular grooveを持つ。頭盾と顔面は平らな領域を形成し、顔面は触角挿入孔下に隆起を持つ。頭盾前縁は中央に歯を持つ。鏡胞は欠く。体長は6 mm以下。体は脚を除き黒色。

・・・Microleptinae(少ない)

‐.上記組み合わせが当てはまらない。

・・・69へ

69(68).中胸側板の中胸側線Sternaulusは明瞭で、中胸側板の半分よりも長く存在し、中脚基節の挿入孔付近に達する。前翅鏡胞が五角形の際は完全。前伸腹節は中央ならびに側方縦隆起線を欠き、横隆起線のみ有する。

・・・トガリヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.中胸側板は中胸側線Sternaulusを欠くか、中胸側板の半分よりも短く有する。前翅鏡胞は様々。前伸腹節は縦隆起線と横隆起線を有する。

・・・70へ

70(69).前伸腹節は前方横隆起線を有する。前伸腹節の気門は細長い。小顎ひげは伸長し、中胸側板の中央付近に達する。

・・・トゲホソヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.前伸腹節は前方横隆起線を欠く。前伸腹節の気門は丸い。小顎ひげは短い。

・・・Orthocentrinae(しばしば得られる)

71(64).フ節爪は櫛歯状。頭盾前縁の形状は単純。

・・・72へ

‐.フ節爪は単純。頭盾前縁はしばしば中央に歯や突起を有する。

・・・73へ

72(71).頭盾は前縁に長く平行な剛毛を有するか、有しない場合は前伸腹節の隆起線を欠き、代わりに細かな横皺に覆われる。後体節第1背板の柄側刻は深く、しばしば中央で左右の柄側刻が接する。

・・・ハバチヤドリヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.頭盾は前縁に顕著な剛毛列を欠く。前伸腹節の隆起線は少なく、大抵はせいぜい後方横隆起線がある程度。後体節第1背板の柄側刻は深くても左右の柄側刻が接することはない。

・・・ウスマルヒメバチ亜科Atrophini族かBanchini族:良く得られる)

73(71).中胸側板の中胸側線Sternaulusは明瞭で、中胸側板の半分よりも長く存在し、中脚基節の挿入孔付近に達する。前翅鏡胞が五角形の際は完全。後体節第1背板は柄側刻を欠く。

・・・トガリヒメバチ亜科(一部:しばしば得られる)

‐.中胸側板の中胸側線Sternaulusは不明瞭か、明瞭な際でもせいぜい中胸側板の3分の1程度の長さ。前翅鏡胞が五角形であることはヒメバチ亜科を除き、ない。後体節第1背板は柄側刻を欠くか、有する。

・・・74へ

74(73).前翅は完全な鏡胞を有する。頭盾は幅が広く平らで、前縁は裁断状で、中央の突起を欠く。

・・・ヒメバチ亜科Alomya属:北日本で得られているが少ない)

‐.頭盾はより小さく、前縁は多少とも丸みをおび、しばしば中央に歯を有する。

・・・75へ

75(74).頭盾は前縁中央に明瞭な凹みを有する。あるいは、有しない場合は中央の隆起で上下に2分割され、その上、複眼内縁は触角挿入孔付近で強く切れ込む。前伸腹節の隆起線は一部のグループを除き、多少とも減少することが多い。フ節第5節はしばしば他の節より太くなる。

・・・ヒラタヒメバチ亜科(よく得られる)

‐.頭盾は前縁中央に明瞭な凹みを欠き、中央の隆起で上下に2分割されず、その上、複眼内縁は触角挿入孔付近で強く切れ込まない。前伸腹節の隆起線は様々な形質状態。フ節第5節は他の節より太くならない。

・・・76へ

76(75).頭盾前縁は中央突起を有する。

・・・77へ

‐.頭盾前縁は中央突起を欠く。

・・・78へ

77(76).中体節は強く平圧され、平たい。頭部は丸く、側方から見て頬は複眼幅よりも顕著に長い。鏡胞を欠く。

・・・マルズヒメバチ亜科Aplomerus:少ない)

‐.中体節は平圧されない。頭部はそれほど丸くなく、側方から見て頬は複眼幅よりも顕著に長いことはない。鏡胞を有する。

・・・ケンオナガヒメバチ亜科Coleocentrus属:よく得られる)

78(76).前伸腹節は前方ならびに後方横隆起線を有する(前者はしばしば不完全)。頭盾は大抵光沢を有し、平ら。前翅翅脈1cu-aの起点は翅脈1/Mの起点よりも翅の先端方に存在する。しばしば頬の下方部が凹む。体長はたいてい10 mm以下。

・・・チビマルヒメバチ亜科Stilbops:しばしば得られる)

‐.上記の組み合わせが当てはまらない。

・・・79へ

79(78).頭盾は大抵小さく、強く隆起し、前縁は大抵隆起する。もし頭盾が平らな際は、顔面は触角挿入孔付近が強く前方に突出し、後頭隆起線の中央部は不完全。複眼は頭部前面から見た際に、腹方へ向けて互いに接近することが多い。大腮は小さく、薄く、刃状で、2歯を有する。ほとんどが小型の種(5 mm程度か、それ以下)で、後体節の切片化はしばしば弱く、乾燥標本はもろい。

・・・Orthocentrinae(良く得られる)

‐.頭盾は平らか弱く隆起し、顔面は強く隆起しない。後頭隆起線は完全。体はより大型で、5 mm以上。

・・・80へ

80(79).大腮は上下の歯が融合し、彫刻刀のように1歯になるか、後脚腿節は腹面に歯を有するか、額は触角挿入孔間に角を有する。

・・・マルズヒメバチ亜科(良く得られる)

‐.大腮は2歯。後脚腿節は腹面に歯を欠く。額は角を欠く。

・・・81へ

81(80).触角鞭節第3, 4節は大抵三日月状の窪みを有する。頭盾は背方が隆起し、残りはかすかに凹み、前縁は裁断状。体長は10 mm内外。もしも三日月状の窪みを欠く場合は、頭盾は明瞭に隆起し、大腮はねじれるか、頭盾は黄色で、いずれの場合も体長は10 mm以下。

・・・ホソヒメバチ亜科(しばしば得られる)

‐.触角鞭節第3, 4節は三日月状の窪みを欠く。頭盾は平らで、前縁は丸い。体長は大抵15 mm以上。

・・・ケンオナガヒメバチ亜科Coleocentrus属:しばしば得られる)