Vol. 5 No. 2 メンガタヒメバチ亜科Acerataspis属

Genus Acerataspis, Subfamily Metopiinae (Family Ichneumonidae)

コンボウヒメバチ Acerataspis clavata (Uchida, 1934)
コンボウヒメバチ Acerataspis clavata (Uchida, 1934)

 Metopiusに引き続き、比較的目にする機会が多いAcerataspisを扱います。属への検索表は寄生蜂のリストと写真と渡辺(2013)を参照下さい。

 本属は国内に2種が生息しており、森林の林縁などで得られます。国内における生態は良く判っていません。Metopiusほどではないですが、しばしば灯火に飛来します。国内の2種は下記の検索表で容易に識別できます。

 

日本産種の検索表

(Kusigemati, 1971を基に作成)

1.前伸腹節の隆起線Costulaは小室の中央付近から生じ、小室の表面は比較的なめらか。側単眼と複眼間の長さは単眼の直径よりも短い。小盾板の先端とSubtegular ridgeは黄色部を持ち(しばしば標本のコンディションによっては不明瞭になる)、中脚と後脚の脛節は広く黄色のバンドを持つ。後体節第1~3背板はしばしば黄色紋を持ち、第4背板の帯はそれほど顕著に幅が広くならない。

・・・コンボウヒメバチ Acerataspis clavata (Uchida, 1934)

-.前伸腹節の隆起線Costulaは小室の後方付近から生じ、小室の表面は皺を持つ。側単眼と複眼間の長さは単眼の直径よりも長い。小盾板の先端と Subtegular ridge、中脚と後脚の脛節は黒色。後体節第1~3背板は黄色紋を欠き、第4背板の帯は幅が広い。

・・・スジコンボウヒメバチ Acerataspis sinensis Michener, 1940

図.Acerataspis属各種の前伸腹節の隆起線
図.Acerataspis属各種の前伸腹節の隆起線

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同定のための文献

渡辺恭平(2013)日本産メンガタヒメバチ亜科(ヒメバチ科)に関する覚書Ⅰ:日本産の属への検索表とAcerataspis, Drepanoctonus, Metopius, Periope, Pseudometopiusの各属,和名の見直し.神奈川虫報 (181): 15-31.